2025年06月27日
機能別組織とは?
1-1.機能別組織の特徴
「機能別組織」とは企業組織を機能ごとに編成する機能別組織とは、企業組織を機能ごとに編成する組織形態のことです。具体的にはトップマネジメントを行う組織の下に、いくつかの機能を分けた組織を設けることを言います。機能別組織は職能別組織とも言います。機能別組織の種類と詳細は以下の通りです。
1.経理部
「経理部」は会計処理や帳簿管理を担う部門です。経理部は「会計データの仕分、帳簿管理、決算業務、税務処理、資金繰りの管理」等の業務を行います。経理部は単に数字を扱うだけでなく、企業経営に必要な判断材料を提供する役割も担います。正確な会計処理は企業の信頼性を高め、外部の利害関係者に対して透明性を示す基盤となります。また、資金繰りの状況を分析し、将来の投資やコスト削減の判断に役立てるなど、経営戦略を支える重要な機能を果たしています。更に経理部は内部統制の確立やリスク管理にも関与し、企業の財務健全性を維持します。経営陣への財務報告や予算管理を通じて、戦略的意思決定をサポートし、企業の持続的成長と安定経営に貢献する中核的な部門です。
2.財務部
「財務部」は資金調達や予算管理を担う部門です。財務部は「企業の資金調達、予算管理、資産運用、投資戦略」等の財務に関する業務を行います。財務部は経理部が作成した会計データを基に、企業の資金計画や財務戦略を立案する役割を担います。例えば、新規事業に必要な資金を銀行融資や社債発行で調達したり、余剰資金を効果的に運用して収益を高めることも含まれます。更に財務分析を通じて経営陣に将来のリスクや投資判断に関する情報を提供し、企業価値の最大化を目指す点が大きな特徴です。加えて、財務部はキャッシュフローの最適化や資本コストの管理を行い、企業の安定的な資金運用を支えます。経営戦略と連動した資金配分や投資判断を行うことで、企業の持続的成長と競争力強化に寄与する中核的な部門です。
3.人事部
「人事部」は人材採用や育成、労務管理を担う部門です。人事部は「人事制度の設計、採用活動、労務管理、人材育成、福利厚生」などの人事に関する業務を行います。人事部は単に採用や労務を管理するだけでなく、社員が能力を最大限に発揮できる環境を整える役割も担います。例えば、公平な評価制度を導入することで社員のモチベーションを高めたり、研修制度を通じて次世代のリーダーを育成したりします。また、働き方改革やメンタルヘルス対策なども人事部の重要な業務であり、企業の持続的成長を支える基盤となっています。
4.総務部
「総務部」は社内の環境整備や庶務を担う部門です。総務部は「社内の文章管理、事務管理、備品管理、内イベントの企画」等の業務を行います。総務部は、いわば「会社の縁の下の力持ち」として全社的なサポートを担う部門です。社員が快適かつ安全に働けるよう職場環境を整備し、社内規程の管理やコンプライアンス体制の整備も行います。さらに、災害時の危機管理や安全衛生の取り組みなども総務部の重要な役割です。表立って成果が見えにくいものの、総務部の存在は組織全体の円滑な運営を支える不可欠な基盤となっています。
5.法務部
「法務部」は契約や法的リスクの管理を担う部門です。法務部は「契約書確認、法令遵守、訴訟対応、知的財産管理」等の業務を行います。法務部は企業活動におけるリスクを未然に防ぐ「守りの要」としての役割を持ちます。取引先との契約条件を精査することでトラブルを防ぎ、コンプライアンス研修や社内規程の整備を通じて法令違反のリスクを低減します。また、M&Aや新規事業展開の際には法的観点から助言を行い、経営判断を支援することも重要な役割です。近年では国際取引や知的財産戦略の分野でも活躍の場が広がっています。
6.情報システム部(IT)
「情報システム部(IT)」は社内のIT環境の整備と運用を担う部門です。情報システム部は「社内システムの構築・運用、セキュリティ管理、IT戦略」などの業務を行います。また、情報システム部は社内の業務効率化やデジタル化推進にも重要な役割を果たします。各部門の業務フローを把握し、最適なシステム導入や改善提案を行うことで、社員が安心して業務に集中できる環境を整えます。更に、クラウドサービスや社内ネットワークの管理、データ保護・バックアップの実施、トラブル対応など、多岐にわたる技術的サポートも担い、企業全体の情報基盤を支える中核的な部門です。
7.営業部
「営業部」は顧客との商談や販売促進を担う部門です。営業部は「顧客との商談、販売戦略の立案、売上拡大のための活動」等の業務を行います。更に、営業部は市場や顧客のニーズを的確に把握し、それに基づいた提案やソリューション提供を行う役割も担います。顧客との信頼関係を築くことでリピートや紹介を促進し、売上の安定化・拡大に貢献します。また、社内のマーケティング部門や商品開発部門と連携し、販売戦略の改善や新商品の導入支援を行うことで、企業全体の成長を牽引する重要な部門です。
8.マーケティング部
「マーケティング部」は市場調査や販促戦略を担う部門です。マーケティング部は「市場調査、広告宣伝、商品企画、ブランディング」などの業務を行います。加えて、マーケティング部は顧客のニーズや競合動向を分析し、最適なプロモーション戦略や商品開発の方向性を示す役割を担います。デジタルマーケティングやSNS活用、キャンペーンの企画・実施を通じて、ブランド認知や販売促進を図ります。また、営業部や商品開発部と連携し、顧客に支持される商品・サービスを提供するための戦略立案や効果検証を行い、企業の持続的な成長を支える重要な部門です。
9.製造部
「製造部」は製品の生産や品質管理を担う部門です。製造部は「生産計画、製品の生産、品質管理、生産設備の管理、工程の改善」等の業務を行います。さらに、製造部は原材料の調達から最終製品の出荷まで、一連の生産プロセス全体を最適化する役割を担います。効率的な生産ラインの構築やコスト管理、安全衛生の確保も重要な業務です。また、品質管理部門と連携して製品の品質向上を図り、顧客満足度の向上に貢献します。加えて、技術革新や設備更新を通じて生産性を高め、企業の競争力維持・向上に寄与する中核的な部門です。
10.研究開発部(R&D)
「研究開発部(R&D)」は新製品や技術の研究開発を担う部門です。研究開発部は「新製品・サービスの研究開発、技術革新の推進」等の業務を行います。加えて、研究開発部は市場や顧客のニーズを分析し、それに基づいた革新的な製品や技術の企画・試作を行います。学術的知見や最新技術を活用し、他社との差別化を図ることも重要な役割です。また、社内の製造部門や営業部門と連携し、開発成果を実際の製品化や販売に結びつけることで、企業の競争力向上と持続的成長に貢献する中核的な部門です。
機能別組織:まとめ
機能別組織は企業が行う最も基本的なグループ分けとなります。機能別組織と聞けば上記の部門とそれぞれの役割が頭に浮かぶよう、MBA受験に向けてしっかり理解した上で記憶しておきましょう。また機能別組織のメリット・デメリットはこちらをご覧下さい。(「機能別組織の特徴・メリット・デメリット3選|MBA受験生向けにわかりやすく解説」)