経営戦略とは何か?

2025年04月28日

経営戦略とは何か?

1ー1.経営戦略を理解する重要性

 ビジネス・スクール(経営大学院)に入学するとあなたも経営戦略を学ぶことになると思います。経営戦略は非常に人気の高いテーマです。何故ならマッキンゼーやボストン・コンサルティング・グループを始めとする超一流の経営コンサルティング会社は、クライアント企業の経営戦略や競争戦略の策定を主なコンサルティング・サービスとして提供しているからです。就職人気ランキングで経営コンサルティング会社が上位を独占しつつある昨今では、経営コンサルティング会社に就職又は転職する為にビジネススクールに通う学生・社会人も数多くいます。そのため経営戦略はとても人気の高いテーマの一つです。経営コンサルティング会社に入る予定ではなくても、経営を理解する上で経営戦略を理解する事は非常に重要です。では、経営戦略とは何でしょうか。

1ー2.経営戦略の定義

 経営戦略には数多くの定義があります。そのため分かりやすい定義を二つ挙げます。一つ目はジェイ・B・バーニー氏(2003)が「企業戦略論(上)」の中で述べた「いかに競争に成功するか、ということに関して一企業が持つ理論」というものです。(ダイヤモンド社)企業は常に競争に晒されており、その中で成功する為の理論が戦略である、というのがバーニー氏が述べた定義になります。二つ目は伊丹氏、加護野氏(1989)が「経営学入門」で述べた「戦略とは『企業が事業の将来のあるべき姿とそこに至るまでの変革のシナリオ』を描いた設計図である。」というものになります。(日本経済新聞出版社)基本的に企業には目標があり、現状からそこに到達するには多くの障害を乗り越えて、競合他社やその他関係他社との闘い打ち勝つ必要があります。そのため現状とあるべき姿とのギャップを埋める設計図というのがこの定義になります。

1ー3.経営戦略と競争戦略の違い。

 戦略という分野で最も有名な人物はハーバード・ビジネススクール教授のマイケル.E.ポーター氏だと思います。しかしポーター氏は経営戦略というより競争戦略を唱えた人物として有名です。この違いも押さえておきましょう。両者の違いは少し大雑把ですが、次の通りになります。例えばAという会社があり、A社は複数の事業部を抱えているとします。このA社が将来どのマーケットで持続的競争優位を築いていくのか、ということを考えるのが経営戦略です。そのため経営戦略には事業の撤退や売却、買収等も含まれます。それに対して、A社の各事業部がいかにそれぞれのマーケットの中で持続的競争優位を築くか、というのが競争戦略です。つまり経営戦略は競争戦略を内包しているコンセプトになります。経営戦略には「全社戦略」「事業戦略」があり、事業戦略として競争戦略を唱えたのがポーター氏になります。基本的に企業が成功していくには両方の戦略が必要となります。これらについてもしっかり学び、あなた自身で企業の戦略を理解したり、また経営戦略を策定できるようになりましょう。