多角化戦略の種類と内容をわかりやすく解説します。

2025年06月17日

多角化戦略の種類

多角化戦略には次の四つの種類があります。それぞれ以下の通りです。

1-1.水平型多角化戦略

 水平型多角化戦略とは、現在と同じ顧客に向けて別の製品を提供する戦略です。例えば飲料メーカーが現在の顧客セグメントに別の飲料を開発し提供するケースなどが挙げられます。水平型多角化戦略は既存の顧客基盤や販路などがそのまま利用できるのが特徴になります。よって比較的成功しやすいのもこの戦略の特徴になります。

1-2.垂直型多角化戦略

 垂直型多角化戦略とは、サプライチェーン上の川上又は川下に進出する戦略です。例えば製造メーカーが原材料を製造する事業を始めたり、小売店まで流通する問屋を始めるケースが挙げられます。これにより調達・流通コストの削減や調達・流通ルートの安定性向上を実現することができます。

1-3.集中型多角化戦略

 集中型多角化戦略とは、現在の技術やマーケット、顧客などに関連する分野に進出する戦略です。関連多角化とも言います。この戦略のメリットはシナジー効果が得やすくノウハウの共有などが容易である点が挙げられます。また既存の事業に関連する分野に参入するので、水平型多角化戦略と同じく、比較的成功しやすい戦略であるとも言えます。

1-4.集成型多角化戦略

 集成型多角化戦略とは、既存の事業と全く関係性のない異業種に参入する戦略です。コングロマリット型多角化とも言います。異なる市場に参入するので、成功すればリスク分散効果は高くなりますが、既存の事業が活用できないので成功させるのが最も困難な戦略であると言えます。

多角化戦略の種類:まとめ

2-1.多角化戦略の種類を覚えておきましょう。

 上記の通り多角化戦略には幾つかの種類があります。多角化戦略を考えるのは企業戦略の常ですが、それぞれの特徴をしっかりと理解した上で、それぞれの戦略を状況に応じて適切に使い分けられるようになりましょう。