2025年05月08日
目次
国内MBA(ビジネススクール)の選び方
国内にはMBAの取得が可能なさまざまなビジネススクールがあります。そのためMBAを取得する場合は軸を定めて検討する必要があります。基本的には以下の五つの内容を検討するようにして下さい。
1-1.学習形態
一点目は「学習形態」になります。通学制かオンライン制か、開講曜日・時間は平日昼か夜間か、土日は開講しているか、キャンパスはどこにありアクセスしやすいかという点です。ビジネススクールの多くは通学制になります。また一部ですがオンラインだけで完結するスクールや、ハイブリッド型のスクールもあります。次に開校曜日・時間としては主に平日午前~夕方までに授業が行われるビジネススクールと、主に平日夜間・土日等に授業が行われるビジネススクールに分けることができます。更にキャンパスはどこにあるか、アクセスできるかという点も重要になります。何故なら他の都道府県や遠距離にキャンパスがある場合、特に社会人学生は通学するのが難しくなるからです。(神戸大学ビジネススクールのように授業が週末中心で遠距離から通う人もいます。)職場から通学する場合は職場からの距離を検討する必要があります。
学習形態が重要なのは「社会人が働きながら通学できるか否か。」が学習形態によって変わるからです。あなたが東京都在住であり、仕事が土日休みであれば、土日を中心に授業が開講されている関東圏のビジネススクールに行けば、働きながら通学する事が可能です。しかしあなたが東京都在住であり、関西圏にある平日昼間中心のビジネススクールに通学する場合は、企業派遣制度などを利用して休職するか、退職して通学する必要があります。このように学習形態は特に社会人学生には非常に重要な要素であると言えます。そのため現状や目的をしっかりと考えて自分に合った方法で通学できるよう検討して下さい。
1-2.専門性・カリキュラム
二点目は「専門性・カリキュラム」になります。
自分の学びたいカリキュラムがあるスクールに行くべきなのは言うまでもありません。ビジネススクールには、ファイナンス専門のプログラムを有するビジネススクールや、サービス・ホスピタリティのプログラムを有するビジネススクールなどがあります。また中小企業診断士養成課程を有するスクールや会計士・税理士を目指す方に向けたカリキュラムを有するスクールもあります。2024年度の募集で最後になりましたが、京都大学ビジネススクールには観光専攻のプログラムがありました。
このようにビジネススクールには一般的な経営学やマネジメントを学ぶプログラムだけではなく、専門性の高いプログラムもあります。このようなプログラムはその分野を極めたい人にとっては魅力的なプログラムなので、自分が求めるカリキュラムが提供されているかどうかは非常に大きな軸となります。また例えば慶応義塾大学ビジネススクールのようにほぼ全ての授業をケースメソッド形式で行うビジネススクールもあります。これはケースメソッド形式で学びたい学生にとっては重要な内容になります。このように専門性・カリキュラム、更には教授法も非常に重要な要素であると言えます。
1-3.研究力・教授陣
三点目は「研究力・教授陣」になります。特にあなたが博士後期までの進学を視野に入れている場合は重要になります。
ビジネススクールには研究計画書にリサーチクエスチョンを設定し、その研究を行うことを前提として入学するスクールがあります。東京都立大学ビジネススクールや筑波大学ビジネススクールがこれに該当します。また研究計画書に研究したいテーマと理由だけ書き、入学後に修士論文を書くビジネススクールもあります。
あなたが研究(仕事上の課題解決・博士後期過程への進学)を重視している場合、それぞれのビジネススクールが研究にどれだけ重きを置いているかが重要になります。またその研究指導を行ってくれる教授陣が在籍しているかも重要になります。(ただし教授陣が退職する可能性もあるのでこれはしっかりと調べる必要があります。)逆に研究にはそこまで興味がない場合は専門職大学院(修士論文は原則不要)の方が良いのかもしれません。その意味であなたが研究者や博士号の取得を目指している場合、そのビジネススクールの研究力や教授陣が非常に需要になります。
1-4.学費・補助制度
四点目は「学費・補助制度」になります。あなたがビジネススクールに通学する場合は、企業派遣のような形で企業が費用を負担してくれるか、自分で払うか、ローンを組む事になると思います。国内ビジネススクールの学費は海外ビジネススクールと比較すると安いと言えますが、金額自体は決して安いものではありません。
国公立でも2年間で150万円程度、私立なら300~450万円程度の入学金・授業料などが掛かります。これに通学費や教材費、場合によっては仕事を中断する費用などを考えると、多くの経済的な負担が発生します。そのため自分が行きたいビジネススクールに行く経済的な負担をしっかり検討した上で意思決定を行う必要があります。また補助制度や奨学金制度などを設けてるビジネススクールもあるので、これについても必要な場合はしっかりと調べていくべきだと言えます。
1-5.ビジネススクールとの相性
五点目は「ビジネススクールとの相性」になります。これは非常に需要な軸になります。
何故なら人間には相性があるので、自分の相性の合うスクールでないと入試で合格するのが難しく学習効果も低いものになってしまうからです。例えばあなたが上記の「1~4」の観点からビジネススクールを選択したとします。しかし実際にキャンパスに行ってみて相性が合うか、教授陣と上手くやっていけそうか、入試制度は自分に合っているかなど、定性的な要素から判断しないと学習効果は低いものになってしまいます。これは職場と同じです。あなたに合わない企業に入ると、その中で高いパフォーマンスを発揮するのが難しくなるという事は容易に想像できると思います。ビジネススクールもこれと同じです。
あなたが自分に合わないと感じるビジネススクールに入学すると、必然的に得られる効果は低いものとなります。何故ならビジネススクールというのは周囲と上手く学習を進めていけないと学習効率と効果が著しく落ちてしまうからです。例えばグループワークでは周囲と心を合わせて一緒にゴールに向けて取り組まないと、高い学習効果は得られません。しかし相性が合わないメンバー・教授陣ばかりだと一緒にグループワークを進めるのが大変であるのは明白です。更に言えばビジネススクールというのは主体性が求められる場所なので、周囲と上手くやっていけない場合は尚更その傾向が強くなります。そのため自分が興味を持っているビジネススクールは自分と相性が合うか、また入試制度も今の自分なら対応できそうかという点をしっかりと意識して検討すべきであると言えます。
国内MBA(ビジネススクール)の選び方:まとめ
上記の通りビジネススクールを選ぶ際に重要なのは「学習形態」「専門性・カリキュラム」「研究力・教授陣」「学費・補助制度」「ビジネススクールとの相性」であると言えます。更により重要なのは自分の目的をしっかりと定めることだと言えます。まずは情報集めから入るべきですが、その後は「自分が何を目的としてビジネススクールに行くのか。」という目的をしっかりと定めることが重要です。その上で目的が達成できるスクールを選ぶべきです。ただし自分が身に付けたい力が分からないケースや、そもそも自分が求めている力が研究(まだ理論が確立していないもの)によって身に付くのか、学習によって身に付くのかが事前に理解できないケースもあります。そのためビジネススクールの受験を決めた後は自己分析や先行研究の調査・経営学の勉強を必ず行って下さい。特に自分が専門としたい分野は絶対に学ぶようにして下さい。その上であなたに合ったビジネススクールを選ぶようにしましょう。MBA(ビジネススクール)の選び方にお悩みであればいつでもご相談下さい。