2025年05月13日
目次
研究計画書に書いてはいけない内容
研究計画書に以下の内容を書くと不合格になる可能性が高くなります。そのため以下の内容は避けるべきだと言えます。その内容はは次の通りです。
1-1.論理が飛躍している内容
一点目は「論理が飛躍している内容」になります。
実はこれは非常に多くあるケースになります。例えば今まで大手企業でエンジニアをしていた人が、仕事の過程で経営コンサルティングに興味を持ち、MBAで学んでから経営コンサルティング会社に転職したいと書くようなケースです。この話は論理的に見えなくもないですが、読み手は次のような疑問が沸いてきます。「エンジニアの仕事で学んだ内容と経営コンサルティングとどう関係しているの?」「今の仕事と直接的に関係ないものに興味を持つのなら他の仕事でもいいのでは?」「経営コンサルティング会社に転職するならすぐに転職活動すればいいのでは?」というような疑問です。
つまりこのような話は「MBAプログラムに入学したい内容を無理やり作った。」と捉えられてしまうのです。または「考えが浅い。」とも思われてしまいます。そのためこの場合だと「エンジニアとして新製品の開発を行う過程で経営の観点からも合理的な新製品案を出し経営陣を説得する必要性を感じた。」と書けば論理的になります。実はこのように論理が飛躍しているケースは多々ありますので、このような書き方をしないよう意識して下さい。これはとにかく志望するスクールに入学したいと考えている人に多くある失敗例になります。
1-2.流行に合わせた内容
二点目は「流行に合わせた内容」になります。このケースも非常に多くあります。例えばデータサイエンスやAI・再生医療など、これからマーケットが拡大していくと考えらえる分野はたくさんあります。でも例えばあなたが銀行で働いているのに「これからデータサイエンスの分野で活躍したいので、最新のデータサイエンスの手法を経営学と併せて学びたい。」と書いても、過去のあなたのキャリアとの関係性は不明です。つまり結局は意図的に作り上げた嘘の内容だと判断されてしまうのです。
ただし例えばあなたが広告会社の営業部で働いており、その過程で「長い営業生活の中で顧客には幾つかの共通項がある事が分かった。それをデータ化し営業部全体が容易に理解できるようにして、営業効率を更に向上させる必要があると感じた。だから既にデータサイエンスを学んでいる。ただマーケティングの知識が浅くどの情報が営業成績向上に直結するのか上手く判断できない。そのためマーケティングや経営戦略を学びデータサイエンスの知識と活用して自社の営業部の効率化を実現したい。」と書けば納得できる計画書になります。このように今までのキャリアと無関係な流行に合わせた話を展開するのは絶対に辞めて下さい。
1-3.抽象的な内容
三点目は「抽象的な内容」になります。
これから経営幹部を目指すので経営学を体系的に学びたい、というような話がこれに該当します。この話は一見論理的に聞こえますが、実は抽象的であると言えます。何故なら常識的に考えると、経営幹部を目指すのであればそのまま今の仕事を頑張ればいいし、経営学が必要なら独学で学べばいいだけだからです。経営学を学ぶ方法など幾らでもあります。例えば本屋に行けば経営学の本が売っていますし、診断士の講座を受講する事も効果的でしょう。またビジネススクールの科目生として一つの科目を受講すればいいだけだとも言えます。
つまりこのケースでは何故このビジネススクールで学ぶ必要があるのか?そしてMBA(経営学修士号)が必要なのか?という問いに適切に答えらえていないのです。本気で志望するビジネススクールがある人は、そのビジネススクールをしっかりと調べた上で、これらの質問に適切に答えられるようになっています。しかしこれではビジネススクールの志望理由になっていません。このような抽象的な話を書いているケースも多くありますが、全てマイナスポイントになりますので、絶対に避けるようにしましょう。
1-4.「〇〇教授から学びたい。」という内容
四点目は「『〇〇教授から学びたい。』という内容」になります。これもよくある失敗例です。これを避けた方がいい理由は、その教授があなたの入学時に在籍している保証はなく、またあなたの入学時には授業やゼミを担当しない可能性もあるからです。またあなたが二年次のゼミの時期になったらその教授は退官する可能性もあります。更に言えば本当にその教授から学びたいだけなのであれば、科目履修生としてその授業を申し込めばいいだけです。そのビジネススクールに入学したい理由とは言えません。
このように〇〇教授から学びたいというのはとても分かりやすいのですが、実際にビジネススクール側から見ると良い志望動機であるとは言えません。見方を変えると、その他のカリキュラムは不要なのか?と受け止められる可能性もあります。これが博士号であれば少し話は変わりますが、MBAの場合は多くの科目(経営学)を学ぶので、そのビジネススクールのカリキュラムで学びたい理由を答える必要があります。よって特定の教授から学びたいという話は避けるべきだと言えます。
ただし実際に特定の教授や科目に興味を持つ事はあると思います。その場合は複数の科目や教授の名前を挙げるようにしましょう。〇〇大学院(ビジネススクール)では「〇〇」や「〇〇」のクラスがあり、またA分野では「〇〇」の科目も開講されています。そのためそれぞれの授業を受講することで自分に必要な力を高められると考えた。という内容であれば、特定の教授や科目に偏っている訳ではないので、内容としては大きく問題はありません。しかし特定の教授一人から学びたいと書くと、その教授が今年度で退官する予定であったり、次年度は授業やゼミを担当しない予定であれば、あなたは確実に不合格になります。このように具体的な教授名や科目名を書く時は複数挙げることを意識するようにして下さい。
1-5.「貴大学院の理念に共感した。」という内容
五点目は「『貴大学院の理念に共感した。』という内容」になります。
たとえあなたがそのビジネススクールの理念に共感したとしても、このような話を研究計画書に書くべきではありません。何故なら入学志望に対する具体的な答えになっていないからです。そもそもあなたが志望して入試を受ける以上、そのビジネススクールの理念に共感しているのは大前提である筈です。それにもかかわらず、なぜ経営大学院なのか?なぜ当校の〇〇コースなのか?と聞いているのに、貴大学院の理念に共感したから、というのは質問に対する具体的な答えになっていません。このような内容で合格する人も稀にいますが、その場合は別の要素がプラスとなり合格になっています。この理念に共感したという内容はマイナス要素以外の何物でもありません。そのため研究計画書では貴大学院の理念に共感したという内容は絶対に書かないようにして下さい。
研究計画書に書いてはいけない内容
実は上記5つの内容はしっかり自分の過去のキャリアと向き合い、自分の志望動機をまとめられていれば、出てこないハズの内容す。つまりこのような内容を書いている時点でまだ本当の意味で自分と向き合えていないという事に他なりません。そのためしっかり自分と向き合い、自分の本心でそのビジネススクールを志望する理由を述べるようにしましょう。