2025年05月15日
衰退業界で生き残る戦略
衰退業界は売上規模が落ち続けている業界ですが、衰退業界でも生き残るのに以下二つの戦略があります。
1-1.市場リーダーシップ戦略
衰退業界に取るべき戦略として市場リーダーシップ戦略があります。これは衰退する市場の中でリーダーシップを実現する戦略です。つまり業界内でトップを目指す戦略になります。衰退業界では売上利益は落ち続けていきますが、業界そのものがなくならない場合は売上利益がゼロになる訳ではありません。そのためこの時期に競合他社の苦戦や撤退を横目に、効率性の高いトップ企業として生き残った企業は、衰退が止まった時点で脅威が少ない環境を享受する事ができるようになります。
1-2.ニッチ戦略
次にニッチ戦略があります。たとえ業界が衰退していても、特定のセグメントに集中し、その中でリーダーシップを発揮できた企業は、その中で有利な立場に立つ事ができます。そのため衰退が始まれば特定のニッチに集中し生き残りを目指すのも一つの立派な戦略になります。
衰退業界から撤退する戦略
衰退業界から撤退する戦略としては以下二通りの戦略があります。
2-1.収穫戦略
衰退業界から撤退する戦略の一つに収穫戦略があります。収穫戦略は長期的にその業界から撤退する戦略です。その前に規模を縮小したり、利益のない特定のセグメントを切り捨て、衰退前に得られる利益をしっかり確保する戦略になります。そのためこの戦略を実施するには標準的なパフォーマンスが発揮できている事が前提条件となります。最後は撤退か売却するのがこの戦略です。
2-2.撤退戦略
次に撤退戦略があります。この戦略は文字通りその業界から撤退する戦略ですが、収穫戦略との違いは衰退の兆候が見られた時期にすぐに撤退するという点が異なります。特に赤字であった場合は撤退を伸ばせば損失が膨らむだけなので、素早い撤退こそが重要になります。この戦略は決して後ろ向きな戦略ではなく、むしろ早々に赤字事業から撤退する事で、自社が強い事業分野に集中することができるようになります。そのため大企業の全社戦略として非常に合理的な戦略になります。
衰退業界の戦略:まとめ
3-1.衰退期は決断が重要になります。
上記の通り衰退業界(業界の衰退期)は幾つかの戦略を実行する事で充分プラスに転じていく事が可能です。しかし最も悪いケースは、衰退を受け入れず(もしくはそれに気付かず)成熟期と同じ戦略を取ってしまうケースです。これにより企業は巨大な損失を被ることになってしまうので(倒産する企業が多いのもこの時期です。)、衰退業界では上記のいずれの戦略を取るかしっかり決断し実行に移すようにしましょう。