国際戦略の三つの種類について解説します。

2025年05月15日

マルチナショナル戦略

国際戦略には大きく分けて以下の三つの種類があります。

1-1.マルチナショナル戦略

 マルチナショナル戦略は複数国で事業を行う際にそれぞれの事業部に自由裁量を与える戦略になります。例えばマクドナルド社は日本国内で「てりやきマックバーガー」を販売していますが、これは日本支社(日本マクドナルド)に自由裁量があるから取れる戦略になります。このようにマルチナショナルな企業は、本社と事業部の実務上のつながりは薄く、個々の事業部が地域の需要に合わせた戦略を採用するのが特徴です。

1-2.グローバル戦略

 グローバル戦略は全世界レベルで最適化を目指す戦略です。つまりマルチナショナル戦略と真逆の戦略になります。グローバル戦略を採用する事で現地の個々の需要に合わせる事は難しくなりますが、統一化を図る事でコスト優位や効率化を実現する事が可能になります。例えば最も金利が低い国で資金を調達し、最もコストが安い国で原材料を調達すれば、必然的にコスト優位が実現できます。もちろん輸送費が発生したり調整が難しくなったり、何より個々の顧客の需要に合わせにくいという特徴もあります。

1-3.トランスナショナル戦略

 トランスナショナル戦略はマルチナショナル戦略とグローバル戦略の間に位置する戦略です。つまり国際戦略では個々の需要に合わせる事と効率化を図る事はトレードオフの関係にあると考えられていますが、トランスナショナル戦略はグローバルに展開しながらローカライズの実現を目指すという両方を追求する戦略になります。これが実現できれば最も良い戦略だと言えますが、実務では両者のバランスを取るのが難しく本社と拠点間での調整が必要役が必要になる戦略でもあります。

マルチナショナル戦略:まとめ

2-1.国際戦略の違いを覚えておきましょう。

 企業が国際展開する場合に国際戦略を検討しますが、国際戦略といっても上記のいずれに属するかで意味は全く異なります。そのためそれぞれの違いをしっかり理解して覚えておくようにしましょう。