2025年05月05日
目次
SWOT分析とは?
SWOT分析とは企業の 「外部環境(機会・脅威)」と 「内部環境(強み・弱み)」を分析するフレームワークです。このツールは企業の戦略策定や改善に利用されます。図解で表すと以下のようなものになります。
1-1.強み(Strength)
まず左上の「強み(Strength)」とは企業が内部に持っている強みの事です。これは企業が有する独自の技術やブランド、優秀な人材、資源の豊富さ、企業の持つアクセス等が挙げられます。例えば企業が独自の技術を有しており、競合他社が模倣できない場合、これはその企業が持つ強みであると言えます。何故ならその技術で製造した製品・サービスは他社が模倣する事ができないので、その品質を求める顧客に高い価格で製品・サービスを販売する事が可能だからです。よって模倣困難性の高い技術力を有する企業は競争力が高いと言う事ができます。また企業がブランド力を有している場合、これもその企業の強みになります。何故なら製品やサービスを作りそのブランドを使用して販売すればより簡単に販売する事が可能だからです。更に企業が他社にはいない程の優秀な人材を抱えている場合は、これも強みになります。何故ならこれらの人材が作り出す製品・サービスは質が良くなるのは当然であり、オペレーションや運営面でも高い効率を実現する事ができるからです。また資源が豊富な企業はその余裕があるだけで強みとなり、企業が特殊な資源を入手できるアクセス権などを有している場合は同じく模倣困難性が高い状態であると言う事ができます。これらがSWOT分析の強みになります。
1-2.弱み(Weakness)
次に右上の「弱み(Weakness)」とは企業が内部に持っている弱みの事です。これは技術力の弱さやサービスや製品の質の悪さ、ブランド力の弱さ、組織構造や業務の非効率さ、経験不足等が挙げられます。例えば企業の技術力が業界平均より劣っている場合、当然ですが平均的な水準の製品・サービスを作るのにサポートが必要になります。その分はコストが増加する要因になります。またブランド力が弱い場合、製品・サービスを販売するのに多くのプロモーション活動を行う必要があります。更に組織構造や業務が非効率である場合、オペレーションコストが多く発生する事になります。またスタッフが経験不足であれば水準の高い製品・サービスを製造するのが難しくなります。このように企業が競合他社と比較した場合に存在する弱みがSWOT分析の弱みになります。
1-3.機会(Opportunity)
そして左下の「機会(Opportunity)」とは企業が外部環境でマーケットシェアやパフォーマンスを向上できる機会のことです。これは市場規模が拡大していたり、何らかの規制が緩和されていたり、新技術の開発により新たな成長カーブが描ける状態になっていたりする状態を指します。例えば企業が扱っている製品・サービスの市場規模が拡大している場合は更に積極的に売上を上げていく事が可能です。また従来までの規制が緩和された場合は新しい機会が生まれる事になります。例えばオンラインで薬を販売する事が法的に禁止されている国で、その規制が緩和されれば、多くの機会が発生する事になります。これは企業にとっては売上利益を伸ばす事ができる最高の機会であると言えます。更に新技術の開発で新たなマーケットを開拓できる場合もこれに該当します。例えば生成AIの仮想通貨の普及などが挙げられます。生成AIが普及する局面で企業は売上を伸ばす事ができますし、仮想通貨が普及する局面でも企業は売上を伸ばす事が可能です。更には再生可能エネルギーや再生医療などの分野は更に市場が拡大すると考えられています。これらの新分野で事業を行えば売上を拡大する事が可能です。これがSWOT分析の機会になります。
1-4.脅威(Threat)
最後に右下の「脅威(Opportunity)」企業が外部環境で将来的に経済的なパフォーマンスを低下させる可能性のある他社や社会の変化のことです。これには競合企業の台頭や経済不況、法規制の強化、戦争の発生や疫病の流行などが挙げられます。例えば競合他社や別業種、更には他国の企業が同じ市場に入ってくる可能性があります。これは企業にとっては売上を脅かされる脅威になります。また経済不況により売上が下がる可能性や、法規制の強化により従来までの方法で売上を出す事ができなくなるケースもあります。更には戦争が発生して企業が営業エリアや顧客を失う可能性や、新型コロナウィルス感染症の拡大時のように疫病により営業の停止を余儀なくされる可能性があります。このように企業は外部環境の脅威により経済的なパフォーマンスが低下する可能性があります。これは企業がある国・場所・営業エリア・製品・サービスなどによって変わるものですが、一般的にはどのような企業も何らかの脅威を抱えています。これがSWOT分析の脅威になります。
SWOT分析の目的とメリット
2-1.SWOT分析の目的
SWOT分析の目的は「戦略立案のための現状把握」になります。企業の戦略とは限られた資源を何にどれぐらい集中させるかを決める事だと言えます。しかしそれには自社の状況を正確に理解する必要があります。そのためSWOT分析で自社の内部環境や外部環境を分析する事で、企業が取るべき戦略を策定する事が出来るようになります。例えば自社の強みを特定する事で勝負すべき分野を特定する事ができます。自社の技術力が強ければ、新市場を開拓する時でも技術力を武器にするべきです。また特定の資源に対するアクセス権を有している場合は、その資源を利用すれば有利になる機会を狙うべきです。またブランド力が強ければ、そのブランドが活用できる機会を狙うべきです。また自社が弱い内容があればその部分が重要になる戦いは避けるべきだと言えます。例えば技術力が弱い場合は新製品の市場が拡大していても手を出すべきではないと言えます。人材の経験が不足している場合は、経験値が武器となる勝負はするべきではありません。資源が豊富でない場合は、たとえ市場が拡大していても、大きな資源が必要となる分野に進出すべきではありません。このようにSWOT分析を行う事で企業は効果的な戦略を策定する事ができるようになります。
2-2.SWOT分析のメリット
SWOT分析のメリットは「自社の立ち位置を客観的に知る事ができる。」というものになります。SWOT分析を行うと企業は自社の状態を把握する事ができるようになります。このような分析を行わないと企業は強みを過信したり、弱みを甘く見積もってしまう可能性があります。しかし客観的に自社を分析することで企業は状態を正しく把握する事ができるようになります。またSWOT分析はシンプルで使いやすいというメリットもあります。複雑なフレームワークだと分析が難しいですが、このようにシンプルだと容易に使用する事ができます。そのため必要以上に手間や時間を掛けずに自社を分析できるので、このフレームワークは多く利用されています。
SWOT分析:まとめ
上記の通りSWOT分析は戦略策定に効果的なフレームワークになります。SWOT分析を行う事で自社の強さや弱さ、また外部にある機会や脅威を意識しながら企業の戦略策定を行うことができるようになります。SWOT分析は非常に有名なフレームワークになりますので、MBA受験に向けて、しっかりとこのツールを使いこなせるようになりましょう。