MBA小論文試験の基本を徹底解説|試験形式・頻出テーマ・評価基準まとめ

2025年05月17日

小論文試験とは?

国内MBA(ビジネススクール)の入学試験では小論文試験が課されるスクールもあります。小論文試験の詳細は以下の通りです。

1-1.小論文試験の概要

1.小論文試験があるビジネススクール

 国内MBA(ビジネススクール)の一部のスクールでは入学審査に小論文試験が含まれています。小論文試験とは試験会場に行き、与えらえた問いに対して時間内に文章形式で答えを記述する試験になります。国内にはこのような小論文試験を課すビジネススクールが以下の通り10校以上あります。

 

小論文試験があるビジネススクール(一部)

No ビジネススクール名
京都大学経営管理大学院(一般選抜)
一橋大学大学院経営管理研究科
早稲田大学大学院経営管理研究科
慶応義塾大学大学院経営管理研究科
神戸大学大学院経営学研究科
筑波大学大学院人文社会ビジネス科学学術院
東京都立大学大学院経営学研究科
関西学院大学大学院経営戦略研究科
兵庫県立大学大学院社会科学研究科
10 立命館大学大学院経営管理研究科

2.一部のビジネススクールが小論文試験を課す理由

 上記の通り難関のビジネススクールは小論文試験を課す傾向があります。何故なら小論文試験の結果は研究計画書やその他の出願書類と異なり他人と一緒に行うことができないので、受験生の実力を測るのに適しているからです。研究計画書やその他の出願書類は自分で作成する必要がありますが、これは他人と一緒に進める事が可能なものになります。しかし小論文試験はあなた一人で問題を解く必要があるので、あなたの真の実力が試験結果に明確に現れます。つまり教授陣から見るとあなたの真の実力を測ることができる試験だと言えます。

 基本的に小論文試験の結果と研究計画書のレベルが著しく違う場合は合格するのは難しいと考えられます。何故なら小論文試験で書いた内容と研究計画書のレベルが違い過ぎると、教授陣は研究計画書は他人が書いたものと捉える(又は他人が協力して出来上がったもの)可能性があるからです。そうなると入学後に苦戦するのは目に見えているので、教授陣はそのような受験生を入学させたくはないと考えるようになります。そのため小論文試験対策を徹底的に行いあなたの真の実力を高めていくようにしましょう。小論文試験があるビジネススクールはあなたの実力を高めることができるチャンスだと捉える事もできます。

3.小論文試験の試験形態

 まず小論文試験は「筆記試験」になります。タイピングで入力する形態ではなく、ボールペンやシャーペンで記述する形式の試験になります。そのため、あなたが普段から主にタイピング入力を行っており文章をペンで書く習慣がない場合は、小論文試験に向けて実際にボールペンやシャーペンで文章を書く練習をしておきましょう。いきなり本番で書くと上手く書けない可能性が高いので、しっかりと練習しておく事が重要になります。

 次に小論文試験の制限時間は「60~90分」程度になります。これが長いと感じるか短いと感じるかは試験の量や指定された文字数、そしてあなたの力量によりますが、この時間は集中力が持続できるよう練習しておきましょう。問題量や質問数、質問に対する文字数は過去問題を参考に進めるようにして下さい。小論文試験で過去問題が入手できる場合は最低でも3年分は過去問題を解いてから試験に臨むようにして下さい。

1-2.小論文のテーマと内容

 次に小論文試験で出題される頻出テーマは「経営学」と「その他の内容」になります。

 まず経営学のテーマは「経営戦略・組織論・マーケティング・リーダーシップ・会計学」など多岐に渡ります。試験の種類は別記事で解説させて頂きますが、小論文試験では経営学に関する問いが与えられるので、それを読んだ後に幾つかの質問に制限された字数内で答える必要があります。基本的にあなたが記述する内容には経営理論の理解を含んでいる必要があります。例えば特定の状況が与えられて、これからどうすべきか?と問われた場合に、あなたの意見を支える根拠は経営理論である必要があります。この企業はもっと生産量を増加させるべきである、と主張すれば、その理由として「規模の経済」「範囲の経済」「経験効果」などを挙げるべきです。つまり小論文試験で高得点を取るには、ある程度の経営理論を知っておく必要があるのです。

 また大学院によってはテーマを選択して受験する事が可能なビジネススクールもあります。小論文試験は文章を読んで回答する試験ですが、決してその場の思い付きで書けるようなものではないので、事前にしっかり経営学を学び小論文対策を行った上で試験に臨む必要があります。しかしビジネススクールの入学前に経営学全般を学んでおくのは非常に大変なので、自分で小論文試験のテーマを選択する事ができるビジネススクールもあります。このようなビジネススクールを受験する場合は特定のテーマに絞りしっかりと事前にそのテーマを学習しておく必要があります。ただしテーマの選択ができないビジネススクールを受験する場合は経営学全般を学習しておく必要があります。また慶応ビジネススクールのように数学の問題が出題されるビジネススクールもあるので、それぞれしっかり調べた上で対策する必要があります。

1-3.小論文試験の入学審査における役割

 小論文試験はあくまで入学審査の一部になります。小論文試験だけで合否が決まるビジネススクールはありません。基本的に小論文試験を課すビジネススクールは「小論文試験」「研究計画書」「面接試験」「英語スコア」等の総合的な結果で合否を決定します。そのため小論文対策はあくまで試験の一部だと認識しておきましょう。しかしだからと言って小論文試験の点数が低くても合格できると考えるのは誤りです。何故なら前述した通り小論文試験はあなたの真の実力が出るからです。あなたがどれだけ研究計画書やその他の出願書類を上手く作成したとしても、小論文試験(更には英語スコア)はあなたの実力がそのまま反映されます。

 小論文試験の評価が著しく低い場合、その人が合格できると考えるのは難しいです。何故ならビジネススクールは入学後に多くの試験や課題をこなしていくことになりますが、実力が低すぎると卒業する事は難しいからです。また真の実力が低いと考えられる場合、研究計画書やその他の出願書類も自分で作ったとは考えられないでしょう。つまり小論文試験はあくまで試験の一部ですが、あなたの真の実力を知ることができる唯一の試験でもあるので、その結果は教授陣もシビアに判断していると考えられます。そのため小論文試験の結果はビジネススクールの合否に直結すると言えます。

 このように小論文試験は非常に重要な試験になります。あなたが小論文試験を課すビジネススクールを受験する場合、しっかりと小論文対策を行った上で試験に臨むようにしましょう。

小論文試験:まとめ

 以上が小論文試験の概要になります。小論文試験が課されているビジネススクールに合格するには小論文試験対策が不可欠になります。知らない経営学の理論や用語を質問されても答えられる人はいないからです。またあなたが答える意見の根拠にも経営理論の知識と理解が必要になります。また更には研究計画書を作成する前に経営学の基礎知識も必要になるので、志望するビジネススクールに小論文試験が課されている場合は、すぐにでも対策を開始するようにしましょう。小論文試験対策でお悩みの場合はいつでもご連絡下さい。