MBA面接試験の概要|ビジネススクール面接入試の基礎をわかりやすく紹介

2025年05月19日

MBA(ビジネススクール)の面接試験

国内MBA(ビジネススクール)の入試は必ず面接試験があります。その概要は次の通りです。

1ー1.面接形態

 基本的にビジネススクールの面接は「面接官2人:受験生1人」の形式で行われます。

 面接官が2人いる理由は、面接の評価が面接官1人の考えや意見に偏らないようにするためです。面接試験は人間対人間のやり取りであり、面接官の判断で点数が決まるので、恣意的な評価で決まる可能性が高い試験になります。これが相性であれば仕方ない部分もありますが、単純に面接官の好き嫌いで決まるのであれば問題です。そのため面接官一人の判断に偏らないよう「面接官:2人・受験生1人」という配慮された試験形式になっています。

 面接官2人の役割はビジネススクールによって異なります。教授二人から同程度の量の質問を受けるビジネススクールもあれば、質問するのは主に一人で残りの一人は記録やメモ取りに徹して少しだけ質問するようなビジネススクールもあります。また面接官の役職も教授と准教授という組み合わせもあれば、教授と講師という組み合わせもあります。これは大学院ごとに違いますし、その時の大学院の判断で変わる事もあります。ただ役職によって質問内容が大きく変わる訳ではないので、いずれの場合であってもしっかりと面接対策を行い面接試験に臨む必要があります。

1ー2.面接時間

 国内MBA(ビジネススクール)の面接時間は「約15~20分程度」になります。募集要項には30分程度の時間が設定させているケースが多くありますが、これは待ち時間も含めた時間になります。基本的にビジネススクールの面接は15~20分程度で終了します。また状況によっては10分程度で終了する事もあります。そのため短い時間で自分の意見が言えるようしっかり練習しておく必要があります。また面接時間は面接形式(以下「1-4」をご確認下さい。)によっても異なりますが、基本的に「面接型」「口述型」の試験は約15~20分程度になります。ただし「諮問型」になれば30分程度になる事もありますので、いずれの場合もしっかりと時間内に自分の考えを述べられるように練習してから臨む必要があります。

1ー3.面接場所

 面接試験は「志望校のキャンパス」で行われるのが一般的です。

 しかしコロナ禍以降は「オンライン(zoom)」で面接を行っているビジネススクールもあります。そのため志望するビジネススクールの面接場所を確認しておくようにしましょう。面接場所が志望校のキャンパスである場合は、必ず最低でも一回は試験前にキャンパスに足を運ぶようにして下さい。可能であれば面接試験の実施会場の建物まで足を運んで下さい。これには幾つか理由があります。

 まず一点目は面接試験の「想定シュミレーション」ができるからです。面接練習を行う場所がどこであったとしても、本番を想定して行うべきです。しかしキャンパスや建物の雰囲気が分からないと、当日は練習通りに受けられないかもしれません。何故なら想像と異なる雰囲気であれば、自分の練習してきた力を発揮するのが難しくなるからです。これはアスリートと同じです。アスリートは試合前に実際に会場に足を運んで、そこで戦っている自分を何度もイメージしてから試合に臨みます。面接試験もこれと同じです。試験会場や雰囲気を知った上で練習すると、練習が本番に近いものとなり、面接試験の質は向上します。

 次に二点目は「移動ルート」や「周囲の環境」を理解する事ができるからです。普段から通っている場所なら別ですが、一般的に人間は新しい場所に移動する時は思った以上に時間や手間が掛かるものです。例えば交通機関の利用方法、駅からの方向・距離、試験会場までのルート、会場入り口から建物までのルートなど、これらを把握できていないと上手く移動する事ができず、思った以上に時間が掛かります。しかし事前に会場に足を運んでおけば、当日はスムーズに移動する事ができるようになります。また途中で特定の場所にここにはカフェがある、ここにトイレがあるなど、会場周辺や内部を知っておけば、より効率よく行動できるようになります。

 最後に三点目は「想定外の問題」に気付く事ができるからです。例えば駅徒歩5分と書いてあっても、実際にあなたが歩くと10分程度掛かるかもしれませんし、途中で工事などをしている可能性もあります。また会場では、正門は混雑している、この通路は人が多い、こっちは歩けないなど、実際の会場に到着するまでに何らかの問題がある可能性もあります。しかし事前に会場に足を運び細かい注意点を事前に把握しておく事で、想定外の問題を最大限回避することができるようになります。

 以上が事前にキャンパスに足を運ぶべき理由になります。面接がオンラインで実施される場合はzoomの利用環境などをしっかりと設定しておきましょう。同じく当日にミスが起こらないよう何度も実践練習を行い準備を徹底するようにして下さい。

1ー4.面接形式(三つ)

 次に面接試験には以下三種類の面接形式があります。

1.面接型

 一つ目は「面接型」になります。面接型は受験者の人間性や志望動機・将来のキャリアプランなどを確認する為の面接試験になります。この試験では面接官はあなたとビジネススクールとの相性やあなたの将来の成長が見込めるかなどを確認しています。また研究計画書やその他の出願書類だけでは分からない定性的な要素も判断しています。面接型は一般的な質問しか行われないのが通常なので、基本的な質問が中心になります。そのため自分の入学したい気持ちをしっかりと姿勢でアピールする必要があります。

2.口述型

 二つ目は「口述型」になります。口述型は受験者の専門分野の知識や論理的思考力が確認させる面接試験になります。この試験で面接官は受験者の知識や応用力を確認するために、経営理論について質問したり、実務の内容と理論の関係性などについて質問してきます。口述型の試験では志望動機やキャリアプランを固めておくだけ不十分です。そのため特に自分の専門と自分が学びたい分野の知識を学習し、応用的な思考ができるよう練習した上で試験に臨む必要があります。あなたの所属する企業や業界についての特徴などもしっかりと質問されるのがこの試験の特徴になります。

3.諮問型

 三つ目は「諮問型」になります。諮問型は提出した研究計画書や志望理由書の内容をしっかりと質問される面接試験になります。主に研究計画書型の提出を求めるビジネススクールやMOTなどで実施される試験になります。この試験では理論的な背景、研究手法、先行研究などについても質問されることになります。諮問型はあなたの調べてきた先行研究やこれから行う研究について徹底的に質問されるので、あなたが行ってきた研究計画(リサーチデザイン)をしっかりと述べられるように練習して臨む必要があります。諮問型は試験時間が30分程度になることを想定して臨むようにしましょう。

1ー5.面接試験で質問される内容

 基本的に面接試験(面接型・口述型・諮問型)は全て事前に提出した研究計画書を基に行われます。そのためいずれの形式であってもあなたが提出した研究計画書の内容をしっかり話せるようにしておきましょう。また研究計画書に書ききれなかった内容や、記述内容の背景なども用意した上で試験に臨めると理想です。また面接で質問される内容については別記事にまとめているのでこちらをご覧下さい。(別記事「MBA面接の想定問答|ビジネススクール入試で聞かれる質問と効果的な答え方」)

MBA(ビジネススクール)の面接試験:まとめ

 基本的にビジネススクールは面接試験が極めて重要になります。何故なら教授陣があなたを直接知る事ができる唯一の機会だからです。教授陣は面接試験で受験生の「人間性・対話力・将来性」を確認していますが、同時に一緒に学んでいく事ができる人物かどうかも確認しています。何故なら入学後は必ず教授陣と受験生は何らかの形で関わる事になるので、教授陣もあなたが自分達と合わない人である場合は入学させたくないからです。そのためビジネススクールの受験には必ず面接試験があります。(面接官が注目している内容については別記事「MBA面接で合格するには?面接官が重視する5つの評価ポイントとは」をご覧下さい。)あなたが志望するビジネススクールに入学できるかどうかは最後は面接試験次第になりますので、しっかりと準備をして悔いの残らないよう面接試験に臨んで下さい。