国内MBA(経営学修士)とは

そもそも、国内MBAとは?

MBAとは「Master of Business Administration」の略で、日本語では「経営学修士」や「経営管理修士」と訳されます。ビジネスの実務に直結する知識とスキルを体系的に学べる大学院教育の一種であり、特に経営戦略、マーケティング、財務・会計、組織マネジメントといった分野を幅広く網羅しています。

国内MBAプログラムの多くは秋(10月頃)と冬(1月頃)の2回の入試を設けており、合格者は翌年4月から学びをスタートさせます。働きながら学ぶことができる社会人向けのカリキュラムが充実しており、キャリアアップや転職、さらには独立・起業を目指すビジネスパーソンにとって非常に有益なプログラムです。

もともとは米国が発祥ですが、日本企業においてもMBA取得者への評価が徐々に高まっており、取得することで社内昇進や新規プロジェクトへの抜擢など、キャリアの幅を広げることにもつながります。最近ではリスキリングの一環として、管理職やミドル層の社会人が国内MBAにチャレンジする例も増えています。

 

国内MBAと海外MBAの違い

国内MBAと海外MBAでは、授業言語や費用、留学の有無、ネットワーク形成の範囲など、さまざまな違いがあります。海外MBAは基本的に英語で授業が行われ、ビジネスの知識やスキルはもちろん、グローバルな人脈が構築できる、現地の市場や文化を肌で体感できるチャンスもあり、国際的なキャリア展開も期待できます。しかし、その分学費や生活費も高額になりがちです。

一方、国内MBAは日本語で受講可能なプログラムが多く、社会人が仕事と両立しながら通える時間設定や通学形式も整っており、日本国内のネットワークを強化できる点や、費用が比較的安価であることも魅力です。

さらに、日本市場に特化した実践的な知識や、国内企業の事例研究に触れられるという点も、海外MBAにはない強みです。転職や昇進といったキャリアアップを国内で目指す場合は、国内MBAの方がより合理的な選択となり得るでしょう。

国内MBA校の合格対策と予備校の活用法

国内MBAを目指すにあたっては、入学試験が大きなハードルとなります。合格するためには、筆記試験(主に小論文)、研究計画書、面接の3つをクリアしなければなりません。

筆記試験では、経営学の基礎知識をはじめ、時事的な課題に対する分析力が問われます。研究計画書では、「入学後に何を学びたいか?」「どう学んでいくか?」を明確にし、将来的なキャリアプランとの整合性も問われます。面接では、志望動機や自己PRが中心となり、論理的な思考力と表現力が求められます。

これらの試験対策をするには、予備校の利用が非常に有効です。特に仕事をしながら受験準備をされる社会人の方は、限られた時間を有効活用しなければなりません。効率的に合格を目指すためには、体系的なカリキュラムや個別指導のある予備校を活用するのが早道です。

3-1.小論文対策のポイント

小論文試験では、経営戦略、会計、マーケティングといった経営学の基礎知識と、それに基づいた論理的な思考・表現力が問われます。また、多くの国内MBA校では、研究計画書の内容を掘り下げる形式の出題も見られます。

このため、予備校での添削指導や模擬試験を通じて、表現の精度を高めることが重要です。論理構成、根拠の提示、具体的な事例の挿入といった要素を意識することで、説得力のある文章に仕上がります。

また、研究計画書と連動させた小論文対策を行うことで、合格可能性を大きく高めることができます。

3-2.英語に強いアーネスト

最近では英語試験を課さない大学院・スクールも増えていますが、それでもTOEICなどのスコア提出を求める学校も存在し、入学後も英語力は学習や論文作成において非常に重要です。特にケーススタディで海外企業の事例が扱われる場合、資料や文献は英語で提供されることが一般的です。

過去2年以内に取得したTOEICスコア」を求められるケースが多いため、対策は早めに始める必要があります。また、将来的に海外拠点への異動や外資系企業への転職を視野に入れる場合は、MBA取得にあわせて英語力の向上を図ることが望ましいでしょう。なお、有効期間は大学院・スクールごとに異なるので、入学希望校の応募要項をよく確認し、必要であれば予備校に相談してください。

国内MBA予備校のアーネストでは、英語専門塾の運営実績を持つ代表講師が英語指導を実施しています。TOEICスコアアップのための対策も可能なのです。英語初級者からTOEIC高得点を狙う上級者まで、個別ニーズに応じたカリキュラムを提供しています。

 

3-3.独学では難しい面接対策

国内MBAの面接試験では、志望動機やキャリアゴール、自己分析の深さが問われます。加えて、面接官が注目するのはリーダーシップや問題解決能力、論理的思考力といったビジネススキルです。質問の内容は形式的なものではなく、「なぜこの分野を学びたいのか?」「将来のビジョンは何か?」など深堀りされるものが多く、準備が不可欠です。

想定質問集を作成し、シミュレーションしながら回答内容をブラッシュアップしていくことが大切です。アーネストでは、模擬面接を通じて本番さながらの練習ができ、質問への回答の仕方や姿勢、表現方法に至るまで詳細にフィードバックします。これにより、短期間で自信をつけることが可能です。

国公立vs.私立の特徴比較表

国内MBAを提供する大学院・ビジネススクールは、大きく国公立と私立に分けられます。それぞれに特徴があり、目的や状況に応じて選択しましょう。たとえば、費用面での負担を抑えたい場合は国公立、実務的なスキルを身に付けたい場合は私立を選ぶというように、ご自身のニーズを明確にすることが大切です

国公立大学 私立大学
MBA取得可能校数 約200校 約600校
学費 2年間で100万〜150万円程度 2年間で300万〜450万円程度
カリキュラム 経済理論や公共政策に重点を置いた研究志向のアカデミックなカリキュラム ビジネストレンドを取り入れた実践的かつ即戦力スキルを磨くカリキュラム
卒業後の進路 研究職や官公庁が多い傾向 転職、独立・起業、留学など

国公立はアカデミックな環境が整っている一方で、私立はビジネス現場に即した教育内容が充実しているという傾向があります。いずれを選ぶにせよ、ご自身の学びたいことやキャリアプランと照らし合わせたうえで検討するのが理想です。

自分に合った大学院・ビジネススクールの選び方

社会人がMBAを検討する際には、学びのスタイルがご自身の生活や仕事にどう影響するかを見極める必要があります。自宅や職場からの距離、オンライン対応の有無、通学頻度など、生活と両立できるかを確認しましょう

また、大学院・スクールの卒業生の進路実績や評判、指導教員の専門分野なども重要な判断材料です。公開されているシラバスや学校説明会への参加を通じて、ご自身に合っているかどうかを見極めることが大切です。

5-1.ランキング評価で選ぶ

2024年の「Eduniversal Business Schools Ranking」による評価で上位に入った国内MBA校は以下のとおりです。ランキングは世界的な第三者評価であり、教育の質や国際性、企業からの評価などを総合的に判断しています。

ユニバーサルビジネススクール(5つの優秀賞)
1 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)
2 早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS)
トップビジネススクール(4つの優秀賞)
3 京都大学大学院経営管理大学院(GSM)
4 東京理科大学大学院経営学研究科技術経営専攻(MOT)
5 神戸大学大学院経営管理研究科
6 名古屋商科大学大学院マネジメント研究科(NUCB)
7 一橋大学大学院経営管理研究科(HUB-ICS)
8 国際大学大学院国際経営学研究科(GSIM)
優れたビジネススクール(3つの優秀賞)
9 立命館アジア太平洋大学 – APU経営学部(APM)
10 北海道大学大学院商学研究科(HGBAD)
11 関西大学大学院商学研究科
12 東北大学大学院経済学研究科(Econ. Tohoku Univ.)
13 法政大学大学院経営管理研究科(HBS)
14 明治大学大学院グローバルビジネス研究科(MBS)
15 青山学院大学 – 青山ビジネススクール(ABS)
16 九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻(QBS)
グッドビジネススクール(2つの優秀賞)
17 立教大学 – 経営学部・経営研究科(BUS)
18 同志社大学大学院商学研究科(DGS)
19 筑波大学大学院ビジネスサイエンス研究科(GSSM)

※SMBG社「Eduniversal Business Schools Ranking」を参考に作表

こうしたランキングは一つの参考材料になります。迷ったら、まずは評価が高い大学院・ビジネススクールを検討してみるといいかもしれません。

5-2.カリキュラムで選ぶ

カリキュラムの内容は、スクールごとに大きく異なります。経営戦略や会計に重点を置くプログラムもあれば、アントレプレナーシップ(起業)やサステナビリティに焦点を当てた内容を提供しているスクールもあります。

たとえば、グロービス経営大学院では「創造と変革」をテーマにしたMBAが提供されており、実務に即した内容を学ぶことができます。BBT大学院ではオンラインで完結できる柔軟なプログラムがあり、働きながらも学びやすいのが特徴です。

このように、各校の特徴を把握し、ご自身の目標や関心分野と照らし合わせましょう

5-3.国際認証で選ぶ

世界的に認められているMBAプログラムには「国際認証」が与えられます。AACSB、AMBA、EFMD(EQUIS)という3大機関の認証は、教育の質の証明ともいえます

これらすべての認証を取得しているビジネススクールは「トリプルクラウン」と呼ばれ、世界的にも希少であり、高い国際的評価を受けています。将来的に海外でのキャリアを考えられている方や、外資系企業を志望する方にとっては特に注目すべきポイントです

5-4.卒業後のキャリアプランで選ぶ

MBA取得後のキャリアは多岐にわたります。多くの卒業生が経営コンサルタント、戦略企画、新規事業開発、企業再生ファーム、ベンチャー支援などで活躍しています。また、製造業、金融業界、IT業界など、あらゆる業種で学んだことを活かせるでしょう。

たとえば、アビームコンサルティング、ベイカレント・コンサルティング、野村総合研究所(NRI)などの大手企業では、MBAホルダーの採用を積極的に行っていますので、転職が有利になる可能性は大いにあります。また、近年は独立して起業する卒業生も増えており、ビジネスの実践現場で活躍する人材として高く評価されています。

5-5.通いやすさで選ぶ

社会人にとっては、特に「通いやすさ」は重要な要素です。夜間や週末に授業が開講される大学院、オンライン対応が整ったビジネススクールであれば、仕事との両立を図りやすくなります。

【平日夜間&土曜日】に通学できる主な大学院・ビジネススクール
青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科(ABS)
関西学院大学大学院 経営戦略研究科(IBA)
九州大学大学院 経済学府産業マネジメント専攻(QBS)
中央大学大学院 戦略経営研究科(CBS)
筑波大学大学院 ビジネス科学研究群経営学学位プログラム(GSSM)
筑波大学大学院 国際経営プロフェッショナル専攻(MBA-IB)
同志社大学大学院 ビジネス研究科(DBS)
一橋大学大学院 経営管理研究科 経営管理プログラム(HUB-SBA)
一橋大学大学院 経営管理研究科 金融戦略・経営財務プログラム(HUB-FS)
法政大学大学院 経営学研究科&イノベーションマネジメント研究科(HBS)
明治大学大学院 グローバルビジネス研究科(MBS)
横浜国立大学大学院 経営学専攻 社会人専修コース(YBS)
立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科(RBS-BizCom)
早稲田大学大学院 経営管理研究科 夜間主総合(WBS)
早稲田大学大学院 経営管理研究科 夜間主プロフェッショナル(WBS)
立命館大学 経営管理専攻マネジメントプログラム(RBS)
立命館大学 観光マネジメント専攻観光事業マネジメントプログラム(RBS)
【土曜日・日曜日】のみ通学できる主な大学院・ビジネススクール
慶應義塾大学大学院 経営管理研究科(E-MBA)
神戸大学大学院 経営学研究科(KIBER)
中央大学大学院 戦略経営研究科(CBS)
名古屋商科大学大学院 マネジメント研究科(NUCB)
兵庫県立大学大学院 社会科学研究科(UOH)
【平日夜間】のみ通学できる主な大学院・ビジネススクール
一橋大学大学院 経営管理研究科(HUB)
【オンライン・通信制】講座のある主な大学院・ビジネススクール
グロービス経営大学院オンラインMBA
SBI大学院大学
ビジネスブレークスルー大学大学院

理想的な学校でも、通学距離が遠ければ継続は難しくなります。通学の負担を最小限に抑えることが、継続的な学びにつながります。

5-6.費用で選ぶ

MBAを取得するまでにはある程度費用が必要となります。プログラムの内容や通学形式によって幅はありますが、一般的な目安は以下のとおりです。

  • フルタイムMBA:100万~400万円
  • フルタイムMBA:100万~400万円
  • パートタイムMBA:130万~340万円
  • オンラインMBA:100万~300万円
  • 入学金:10万~30万円程度
  • その他費用:教材費、修了論文費用、スクーリング費用など

プログラムによっては教育ローンや奨学金制度、教育訓練給付金の利用が可能です。勤務先によっては「社費制度」により学費を補助してもらえるケースもあります。こうした制度をうまく活用し、費用面での負担を軽減しましょう。

5-7.試験科目で選ぶ

国内MBAの入試には、小論文や面接、出願書類(志望理由書・研究計画書)に加え、TOEICなど英語スコアの提出を求める大学院もあります。人気校や難関校ほど、提出書類の質や面接での印象が重視される傾向にあります

筆記試験の対策だけでなく、研究計画書の作成や模擬面接、英語スコアの取得といった複合的な準備が必要です。アーネストでは、これらすべての対策に対応した個別サポートを実施しています。国内MBAを検討されているなら、これから受験対策をされるのであれば、ぜひ当校を利用して効率的に準備を進めてみませんか?

興味がございましたら、まずは以下のリンクから、お問い合わせや資料請求をご利用ください。

無料相談はこちらから