2023年10月09日
リスニングについてよくある議論の中に「英語は英語のまま理解すべきだ。」というものがあります。では英語は英語のまま理解すべきなのでしょうか。何よりそんな事は可能なのでしょうか。今回はこの考えについてお話させて頂きます。
まず結論から言うと「英語を英語のまま理解する事は可能である。」というものになります。しかし次の意見も付け加えておきます。ただし大学受験のリスニング対策としては「絶対に英語を英語のまま理解しようとしてはいけない。」と。矛盾しているようですが、実はそうではありませんので、しっかり説明します。
英語を英語のまま理解することは可能です。
まず英語を英語のまま理解する事は可能です。例えば「He studies Math.」(ヒー・スタディーズ・マス)という文の発音を聞いた時、「彼が数学を勉強する。」という文を思い浮かべる事は簡単だと思います。この中で「Math」(マス)と聞いた時に「Math」→「数学」→「数字や図形等に関する学問」と考えるのではなく、間を取っていきなり「Math」→「数字や図形等に関する学問」と頭の中で変換できれば「英語を英語のまま理解できた」と言えます。このように英語を英語のまま理解する事は可能です。英文を聞いた後に頭の中で一切それらを日本語に和訳せず全ての話を絵で思い浮かべる事ができればそれは英語のまま理解できている事になります。
しかし受験では英語を英語のまま理解する練習は辞めましょう。
しかし「英語を英語のまま理解すること」は受験生にはお勧めできません。理由は効率が悪すぎるからです。リスニングの問題では日本語で聞いても知らない単語が出題されます。それらを無理に和訳せずに本質的な意味と結び付けて暗記するぐらいなら、日本語での訳と意味を覚えてから英語と結び付けた方が早く記憶に定着します。何故なら一般的に高校生の場合は既に母国語である日本語が定着しているので、日本語で意味を考えた方が早く理解できるからです。そして早く理解できればより覚えやすくまた忘れにくくなります。そのため英語を英語のまま理解して覚える事は効率的ではないのです。日本語で聞いても知らない言葉を無理に英語で覚えると著しく暗記効率が落ちます。結果としてリスニング力の向上が遅くなってしまいます。
しかし最終的には英語を英語のまま理解する事ができるようになれば理想です。その方がしっかりとリスニングで話が聞き取れるからです。ただしそれは日本語で意味を理解し単語暗記等をしっかりと進めた結果、自然とそうなっていれば良いというだけであって、最初から絶対に英語を英語のまま理解しようと考えてはいけません。その方法はあなたの勉強効率を著しく低下させます。つまりまずはしっかりとリスニングの文章を聞き内容を日本語で理解できるようになる事が重要です。
このように主張すると、本屋に行ったら「英語を英語のまま理解しよう。」と書いている本や勉強法が見つかったけど、どうして駄目なの?と疑問に感じる方もいると思います。その理由はあなたが現在置かれている状況や現在の英語力によって適切な勉強法は異なるからです。
状況によっては英語を英語のまま理解する練習をしましょう。
例えばあなたが現在五歳で、両親の仕事の都合等で英語圏の海外に移住する場合、是非とも現地では英語を英語のまま理解するようにして下さい。何故なら日本語がそこまで定着していない状態なら英語を英語のまま理解する方が効率的だからです。またあなたが既に大量の英単語・構文暗記ができているのなら、更にリスニング力を伸ばす上で英語を英語で理解しようとしてみる事は効果的な勉強法の一つになります。何故なら既に充分にリスニングの意味が理解できる筈なので、更なるレベルアップに向けて英語を英語のまま理解しようとする事は効果的だからです。
しかし一般的に大学受験の英語対策を開始する高校生は上記のいずれでもない事が多いので、まず英語は日本語に和訳して意味を正確に理解する事をお勧めしています。リスニングの問題で英語の話を聞いた時は頭の中で話をしっかり日本語に和訳し、しっかり意味を理解した上で問題を解くようにしましょう。
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